訪問営業で契約をとるための4ステップ

そのために私がやってきたのは、営業のプロセスを4つのステップに分けて、1回、1回の訪問を楽にして確実に成約する方法です。

例えて言うと、いきなり10段の跳び箱を跳ぶのではなく、たとえば最初は4段を跳べるように練習して、跳べるようになったならば、1~2段ずつ足していくことで、10段の跳び箱を跳べるようになる方法です。

「訪問営業で契約をとる」という難易度の高い10段の跳び箱を、一気に跳んでしまうことを考えている人が多いのです。小分けにして行動することで、少しずつできることが増え、跳び箱を跳びやすくなります。これが、次にご紹介する「訪問営業で契約をとるための4ステップ」の特長です。

訪問営業で契約をとるための4ステップ

Step1 警戒心を取り除き、さりげなくお客様に近づくアプローチ

営業・販売というと、多くの方々はステップ4の「契約」がすぐに頭に浮かぶことでしょう。

ですが、営業が本当に難しいのは最初のステップ、お客様にどのように接近して、面会してもらうかという「アプローチ」の部分なのです。

あなたはどのような方法でお客様を訪問し、うまくいかないと言っていらっしゃるのでしょうか?

もしかしたら、最初から契約しようと思って訪問したりしてはいないですか?

そのやり方は誰がやっても(一部の天才型の営業マンは除いて)うまくいかないやり方です。なぜならお客様の心は「見知らぬ人」に「不意に訪問された」ために警戒レベルがマックスの状態だからです。

ですから、うまくいかないのはあなたが営業に向いていないということではなく、そもそも誰がやっても無理なことだと考えるようにしてください。

さて、あなたは、お客様に会ったときに、最初どのような話をしていますでしょうか。いきなり、商品・サービスを売りつけていませんか?

あなたも、初めて会った人に商品・サービスを売りつけられると、びっくりしないでしょうか?

まず、あなたという人を知ってもらうためのスタートが、「アプローチ」で大切なことです。始めて会った人に、いきなり売りつけてしまっては、契約どころではありません。

さて、この話を聞いたあなたは、今後どのように訪問されますか。一度ご自分の訪問を振り返ってみられると良いでしょう。

【Point】

初めて会った人に、いきなり商品やサービスの話をしない。

Step2 人間関係づくりと見込み度・ニーズ調査

今回は、飛び込み営業がうまくできなくて「自分は営業に向いていないのではないか」と悩んでいる新人営業マンに向けてのお話の第3回目です。

前回は、「訪問営業は断られるものだ」ということを知って訪問する心構えが必要だということ、そして、訪問営業で、お客様にドアを開けてもらい、話を聞いてもらうために、4つのステップに分けて行動するとよい、ということをお話ししました。

ステップの1番目は「警戒心を取り除き、さりげなくお客様に近づくアプローチ」でした。

最初の訪問でうまくお客様とお話しできたとします。ここですぐ契約の話に持っていこうとする方も少なからず、いらっしゃいます。会ってくれたからといってすぐ売り込みに入ってはいけません。

今回はステップ2の「人間関係づくりと見込み度調査」です。訪問先のお客様との人間関係づくりからお話しします。

お客様とよい人間関係を築くために大切なこと

まず、お客様が忙しいにもかかわらず、出て来てくれたことに感謝の言葉を伝えることが大切です。そして、お客様に安心感を与えるため、自分の正体と訪問の目的をお客様に対して明らかにすることです。

特に重要なのは、次のことをお客様に伝えるようにしてください。

  • 無理に長い時間話をしようとしないこと
  • 自分の言いたいことを一度に全部説明するために粘ったりしないこと

仮にお客様が長時間話を聞いてくれたとしても、ここで全部話してしまうと、次に話すことがなくなってしまいます。また、受け取る側のお客様にとっても、情報が多すぎることは負担になります。

「押しや粘りが大切だ」と間違った発想をしていらっしゃる営業マンが多いのですが、人間関係づくりの段階で粘ったりするのは逆効果です。

ここではお客様が少しでもいやな素振りや顔をしたら、すぐに引いた方がよいのです。なぜならば、そうしないと、再度訪問したときに、出て来てくれなくなる可能性があるからです。

訪問した時に、必ずやっておきたい見込み度とニーズの調査

また、数多くの営業マンを見て来て、思うことがあります。それが、見込み度やニーズの調査を後回しにする人が多いことです。見込み度やニーズ調査を契約の段階でするようだと、「結局買わないお客様に時間をかけて訪問していた」、なんてことになりかねません。

何度か訪問するなかで、お客様の求められているものを探っていくことが大切です。

ステップ2の内容をまとめますと

  • 出て来てくださったお客様に、きちんと感謝の言葉と、自分の正体と訪問の目的をお客様に対して明らかにして安心してもらうこと
  • 長時間、話をしないこと
  • お客様の見込み度とニーズは、話をしながら把握しておくこと

ということです。この点に気をつけて、訪問をしてみてください。

【Point】

最初に、感謝の言葉、自分の正体、長居しないことを伝えて安心してもらう。

長時間、話をしない。

話をしながら、見込み度とニーズを把握する。

Step3 お客様の立場に立った商品説明

さて、本題のステップ3の商品説明ですが、一番のポイントは自分の言いたいことを話すのでなく、「お客様が知りたいことを話す」ことです。

もし商品説明の段階でよく失敗するのであれば、あなたは、自分には興味があるけれど、お客様にはあまり興味がないことを説明しすぎていませんか?

こんな笑い話を聞いたことがあります。

あるおばあさんが家電販売店に電動マッサージ機を買いに行ったときの話です。

接客担当になった家電店の店員さんは、おばあさんを目の前にして、最新式のマッサージ機のスペックや機能について1時間演説しました。

おばあさんが、その話を聞き終わって店員さんに尋ねたことは「ところで、このマッサージ機は私にも使えるのですか?」だったということです。1時間も話をして、この質問されてしまっては、営業マンとしては笑い話で済まなくなってしまいます。

ある意味で、売ることは質問することかもしれません。

電動マッサージ機を買いに来たおばあさんにも、担当者がいろいろな質問をして、何が購入する上での一番の決め手なのか、または一番不安に思っていることはどんなことなのかをきちんと聞けていたら、1時間もかからずに買っていただけたことでしょう。

【Point】

質問しながら、購入をする上での決め手や不安を探り出し、お客様の聞きたいことに焦点を絞って説明する。

Step4 契約

次に、ステップ4の契約、クロージングになります。今までの3つのステップがきちんと出来ていれば、契約はスムーズにいくはずです。

ここで注意することは、反論処理とお客様の心配されることを予想して、徹底的に準備しておくことです。資料や回答を用意しておくことで、安心して買って頂くことができます。

さらに、契約すると気が緩むことに気を付けておくことをおすすめします。

営業マンの方で売ること(契約)だけが仕事だと思っていらっしゃる方を時々見かけます。

お客様は営業マンに説得されて買うことは決して望んでいません。お客様自身が納得して買うのです。その意味で営業マンはお客様が買うための手助けをしていると言えるでしょう。

【Point】

お客様を説得するのではなく、ご納得頂くことが営業マンの仕事であると理解する。


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