お客様から断られても、モチベーションを維持する方法
このコラムでは、お客様に断られても、否定されてもモチベーションを維持できる方法をお伝えいたします。
営業、特に飛び込み営業の仕事をするうえでモチベーションを維持し、アップするために、見落としてはいけないポイントがあります。
それが、お客様から断られたときに、「どのようにモチベーションをアップさせるのか」ということです。
一般的な営業セミナーや研修では、売る事や契約を取る事、プレゼン能力、コミュニケーション能力などの研修は多いのですが、モチベーションについての具体的なトレーニングについての研修は少ないかもしれません。
自分を否定されて傷つかないという人はいないでしょう。
営業の仕事をしていると、毎日断られることの連続です。
実績がある程度上がっていたならば、断られることにも耐えられるかもしれませんが、なかなか実績がでないときには、「営業は難しい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
まさに心が折れそうになるというのが本音のところでしょう。
自分強く否定されているような気持ちになって、営業の仕事を辞めてしまう人もいらっしゃるかもしれません。
そこで必要になるのが、モチベーションについての具体的なトレーニングです。
それは、車が走り続けるために、ガソリンを入れてエンジンを回し続ける事でもあります。
断られても、否定されてもモチベーションを維持するにはどうしたらよいのでしょうか。
まず、大切なのが、「一日の初めをどの様にスタートさせるか」ということです。
朝から、どんよりとして気持ちでいると、モチベーションどころではありません。
気持ちを高めるには、音楽の力を利用すると簡単です。
一日の初めだけではなく、最初の訪問、商談の前に自分の気持ちを高揚させる音楽を聞くことで、モチベーションを上げることができます。
日ごろから、「これを聞くと元気が出る」「やる気が出る」という音楽を探して、iPodやウォークマンなどに入れておき、持ち歩くように心がけましょう。
営業で知っておきたい大前提
また、次の3つの大前提を知っておくことも大切です。
一つ目は、人は基本的に何もしないでいるとマイナスな事を考えるのが普通です。まして営業職となると毎日ほとんどが断わりを受けるので、それに対して何らか「対抗手段」、「自分に合ったトレーニングやルーティーン」を作らなければモチベーションが維持できないという事なのです。
二つ目は、お客様からの断わりは単に今買う予定がない、忙しくて話を聞いている暇がないということだけのことで、営業マンのあなた自身の否定(NO)ではないという事を知っておくことです。それはご自身が営業マンの方に訪問された時のことを考えていただければお分かり頂けるのではないでしょうか。
三つは、別の記事でも書いていますが、100件に1件、良い話があればいい方なので、ほとんど断られても当たり前、断られれば断られるほど目標に近づいていると思ってください。
ですから、ある意味、契約をとること以上に、この「心構え」を身に付けるのを早くした方が良いと言えます。
【Poin】
契約を取ること以上に、モチベーションを高めるトレーニングにエネルギーをさく。
営業で大切な「がっかり」に打ちのめされない力
では、どのように、断りなどに対して気持ちがネガティブにならないための対抗手段をとればよいのでしょうか。営業はガッカリの連続です。私は、このガッカリから立ち上がれる力、「リバウンド力」を身につけることをしてきました。
買ってもらえそうなお客様に、土壇場になって他社で買われてしまった、思いもしないクレーム、契約後のキャンセルにあったなど、営業マンを打ちのめす事は日々あふれています。
そういう意味で営業マンにとって、リバウンド力(私は「ガッカリ」に打ちのめされない力と言っていました)が必要だと思っていました。ネガティブな気持ちが心を支配しそうになったら、すぐにもとに戻す力を身に付けることが必要なのです。
それには自分の心の状態がどういう状態か自己診断出来ている事が前提になります。
私の場合で言うとこうです。
「あれ~何かいまいち気持ちが乗ってこないな~」と思ったときに、「何か原因があったかな~」と心の中で色々思いを巡らしてみるのです。
すると、「あ~そうだ。朝一でかかってきたクレームの電話がきっかけだ。」と原因になることを思い出します。そして、「もう解決したからこの考えを持っていると損するので、やーめた」と、原因が分かったらそこでその思いや考えを切る訓練をしていました。
否定的な事にまったく無反応は無理なので、長く引きずらない工夫をしていたのです。
簡単に言うとネガティブな事を考えている時間をなるべく少なくして、ポジティブな事を考えている事を長くする事が大切になります。
営業は基本的には明るい方が有利です。
しかし、その場だけで取り繕うのは難しいで、日ごろからのトレーニングが必要になるのです。
その一つの方法が、ネガティブな気持ちに支配されそうになったときに、自分の心の状態をチェックして、切り替えるという方法なのです。
しかし、思いや考えを自分でコントロールするのにはトレーニングには時間がかかるので、逆に行動の方から考えや気分をコントロールする方法を学ぶこともできます。
例えば、「スキップしながら、悲しいことを考えるのは難しい」「笑顔のまま悲しいことを考えるのも難しい」というようなことです。
気持ちや考えの整理をしても、うまくいかないと感じた時には、このように身体を動かしたり、笑顔を作るなどして気持ちに働きかけるということもやってみてください。
【Point】
行動を変えることで、気持ちを切り替える練習をする。
営業で最初に磨くべき力とは
また、契約が取れた・取れないという事にフォーカスしすぎるのではなく、日々の営業活動のなかで小さな事をラッキーと考える習慣や考え方を大切にしてください。
ついつい、訪問活動をしていると、「全然、契約がとれない」というところに意識がいきます。営業活動をしているので当然なのですが、契約にならなくても、
- 名前や顔を覚えてもらえた
- 少しでも話を聞いてもらえた
- 今日は●件、訪問することができた
と少しでもできたことを大切にしてほしいのです。
日々、自分で決めたルーティーンの仕事や仕事量がきちんと出来ているかをチェックしてください。
営業はシンプルに言い切ってしまえばお客様とのコミュニケーション度数(訪問、面会、電話、手紙、FAX、メールなどの量の総合計)で実績ほとんど決まります。契約に至る前までの小さな大事な事の積み重ねが一番大事です。
この積み重ねがあなたに勇気を与えてくれますし、あなたのモチベーションを維持してくれることでしょう。
人は同時に二つの事は考えられません。
お客様に断られてガッカリしたときにも、そちらの方を考えるのではなく、自分の気持ちをリバウンドする方向に物事を考えるトレーニングをしてみましょう。
今まで述べてきたことを参考にしながら、ポジティブシンキング系の本を読む、落語を聞く、気分を変えるために行動から気分を変える方法など、あなたなりの工夫をしてみてください。
究極のモチベーション維持の方法
最後に、究極のモチベーション維持の方法をお伝えしたいと思います。
それは、「機械的に仕事をする」という事です。
洗濯機のスイッチを入れたらぐるぐるドラムが回るように仕事をするというイメージを持ってください。
逆説的ですが、究極のモチベーション維持の方法は、モチベーションや気分に左右されない方法を作り上げることなのです。
こういうことを言うと、がっかりされる方もいらっしゃるのですが、一番成果が上がる方法でもあります。
営業マン時代、私は初期の頃はいくつかあげさせていただいた色々な方法を使っていましたが、最終的にはモチベーションをどうこうしようと思わずに、朝起きたらご飯を食べたり、歯を磨いたりするのと同じように、カリキュラムを作って、それをなぞる様に仕事を続けるようになりました。
長く仕事を続けている人は、生活のパターンのなかに、上手に仕事を溶け込ませています。
決まった時間がきたならば、決まった行動をとるように決めていたり、決まった場所にくると、仕事を始めるように決めるなど、ご飯を食べたり歯を磨くように仕事をしているのです。
モチベーションに頼る人は、そのときの気分に左右されているので、
営業マンの方は、中長期の目標を設定し、日々やるべきことを明確にしたならば、モチベーションがあってもなくても、それを繰り返すことです。
訪問営業をされているならば、お客様のところを毎日訪問することです。
それには、まず事務所から出て、最初の一歩の訪問を始めるという事が一番大事です。
この習慣が確立されると、決めたこと(一日のルーティーン)を一日でもやらないと、今まで積み上げてきたものがゼロになってしまうような恐怖感がおそってくるようになります。こういう心境になったら一定のレベルに到達したと言ってよいと思います。
【Point】
究極のモチベーション維持の方法は、「モチベーションに頼らない良い習慣作り」から始まる。
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