営業とは「売り込むこと」と思っている人が多い
営業とは「売ること」、さらには「売り込むこと」と思っている人が多いと思います。本当にそうでしょうか?
必ずしも間違いとは言いませんが、このような考えで営業活動をすることは、最終的に営業成績を伸ばすのが難しくなると思います。
このコラムでは、「営業=売り込み」と思っている社長や経営者に、営業の本質を知り、自社の営業マンの成績を高めるための考え方をご紹介いたします。
営業マンを雇ったとある会社の話
大手企業から仕事をもらって、その仕事が売上の半分以上を占めている、とある小さな会社の実話をご紹介いたします。大手企業は、名前を聞いたら知らない人はいないぐらいの大手です。
その小さな会社は、今までは大手企業から仕事をもらっていました。しかし、大手企業から価格を叩かれるので、自社で営業活動を行って、利益率を高めたいと思っていました。そこで、別の大手企業からベテランの営業マンを引き抜き、飛び込み営業をしてもらうことにしました。
ところが、その会社の社長に話を聞いてみると、雇ってから1年程度経過したにもかかわらず、そのベテラン営業マンが受注できた仕事は2~3件しかなかったのです。それでは、営業マン自身の給料すら賄えない状態です。
社長に、ベテラン営業マンにどのように指示を出しているのか聞いたところ、「とにかく成果を上げろ」という具合に、ガンガン責めているだけの状態でした。
その社長は、自分であまり営業をしたことがなく、営業マンの指示の出し方を知らなかったのでしょう。また、小さな会社では、社長のできないことは社員にはできないと思った方がよいです。
営業しても全員が購入しません
営業をしても、顧客の全員が購入するわけではありません。以前は、私は個人宅への飛び込み営業で自動車の販売をしていました。もし、訪問先の人が全員購入したとしたら、忙しくて大変でしょう。ほとんど断られることを大前提としながら、飛び込み営業を続けていました。
それはもう、毎日断られ続けていたので、精神的なダメージも大きいものでした。
飛び込みをしなければ、「断られるダメージ」は無いですが、商品は売れません。断られるにしても、告知をしておかなければ、顧客はニーズが発生したときに別業者に依頼することになります。
飛び込み営業の行動をすればするほど、断られる回数が増えます。断られたことで落ち込んでいる場合ではなく、断られたとしても行動したことを誉めてあげてください。また、訪問営業をする営業マンの気持ちが判らない社長は、自分自身で飛び込み営業をしてみてください。
自分を認識してもらう
営業活動のスタートは、商品を売り込むことではありません。まずは、自分を売り込むことです。
競争が激しいところであれば、自分のことを「信用しても良い人だ」ということが相手に伝わらなければ、商品が売れることはないでしょう。商品の良さもそうですが、自分のことを「信頼しても良い人だ」とお客様に思ってもらえるようになる技術必要です。
自分の営業はどうしたら良いのか知りたい方は、営業スキルアップ研修やランチェスター社長塾(上級)をご利用ください。
営業と販売の違いとは?
営業と販売の違いを、言葉の違いからご説明いたします。まずは、販売の「販」の字ですが、貝と反の組み合わせです。貝はお金のことです。反は交換をすることです。つまり、お金と商品を交換して売ることが「販売」です。
次に「営業」ですが、「営」とは営むこと、「業」とは事業のこと。つまり、営業は事業を営むことです。ですので、営業は経営に近いところにあります。
さて、ここで質問です。経営は営業マンが行うのでしょうか? それとも経営者が行うのでしょうか?
つまり、簡単に述べると、営業は社長の仕事であり、販売は営業マンの仕事です。
では、社長はどのような指示を営業マンにしっかり出す必要があるのか。それは、ランチェスター社長塾でも詳しく述べていますが、販売対象となる客層や営業エリア、営業方法など、経営理念や事業計画に基づいた指示を出す必要があります。
やはり、営業マンがしっかりと成果を出すために、社長自らが営業の大切さを知り、自ら営業の勉強をして、営業に取り組み、社長自らが営業マンを育成することが大切であると考えます。
異業種交流会などに参加されてみては?
営業コンサルティングをしている中で、肌で感じることですが、地方の社長さんほど、「営業=商品の売り込み」と思っている方が多いと思います。
営業の勉強をしたいと思った人は、真剣に勉強している人の集まりに一度参加されると良いでしょう。自分の売り込みができることだけでなく、他の人を見ることで人間関係の作り方の「上手」「下手」を知ることができます。
また、自分の見せ方の勉強になります。自分が「いいな」と思った人がいたとしたら、その人の振る舞いを研究しても良いと思います。
名刺がたくさん手に入ると思いますが、それらの名刺を自分の名刺と比べて、自分の名刺をどのように改善しようかという発想も出てくることでしょう。
営業とはお客様から選ばれること
商品を必要としている人は、どこかで購入します。自分のところで購入してもらいたい場合は、お客様から「ここで購入してよかった」と思ってもらえるようにすることが、営業の大きな仕事の一つです。
最終的には顧客が買うか買わないかを決めることですので、売れたらよし。売れなかったら「どうしたら売れるようになるのか」を考える材料にしたらよいと思います。
そういった売れた理由や売れなかった理由を考えて、営業技術を高めていく必要があります。そういった仕組みを作るのも、小さな会社では社長の仕事なのです。
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